PERが低いと「株価は割安である」と言われますが、では、
というと、そういうわけではありません。
今回はPERを基準にして銘柄を選ぶ場合の下記の2つのパターンを紹介します。
1.低PERの割安株を買う
2.PER高めの高成長株を買う
難易度的には
1.低PERの割安株を買う > 2.PER高めの高成長株を買う
になりますので、始めは1に該当する銘柄を探していき、慣れてきたら2の銘柄を探して2を保有する割合を増やしていくと良いと思います。
株を実際に買っていく際にはPERに加えて下記の記事も参考にしてみてください。
※こちらの2パターンは「小型株」からの買いを想定しています。小型株については下記の記事を参考にしてください。
参考▸まずは大企業じゃない!?株初心者が小型株を買ったほうがいい理由
それでは見ていきましょう!
目次
1.低PERの割安株を買う
低PERの割安株を買う理由としては
企業本来の価値 > 株価
の場合に企業本来の価値まで株価が上がるのを狙って買うためです。
なぜ企業本来の価値に達していないことがあるかというと、注目する人が少なくて放置されているからです。裏を返すとひとたび注目を浴びれば一気に株価が上がる可能性も秘めているということです。
低PERとは何倍?
業種によって異なりますが下記のページで東証一部銘柄の業種別PERを見ることができます。
ただし、こちらはあくまで目安になります。
東証一部銘柄のみの掲載であるのと、特定の規模の大きい会社によって数値が大きく変わっている恐れがあるためです。
他には同業、同規模の会社と比較してみるのもよいでしょう。
例えば、牛丼チェーンの銘柄を買いたい、となった場合は吉野家、松屋、すき家(ゼンショー)のPERを見て比較するといった感じです。
比較する会社は四季報から探すことができます。

上記ページの赤枠内に各銘柄で比較会社が3社ずつ載っています。
四季報オンラインの有料会員(月額1,000円)になればワンクリックで比較会社のページに飛ぶことができます。他にも色々な機能があって便利ですよ!僕も会員になっています。
あとは、元も子もないですが経験です。笑
いろいろな会社のデータを見ていくうちに
といった考え方ができるようになります。僕もまだまだ勉強中ですが、PERの平均が低い業界、高い業界というのは何となくイメージできるようになりました。
まずは気になる銘柄で仮説を立ててみましょう。
実際の銘柄で探してみよう! -低PERの割安株編-
ここで低PERの割安株の探し方の一例をあげてみます。

MrMaxHDという九州地盤のディスカウントストアの四季報情報です。
・小売業のPERは20倍以上がゴロゴロしているイメージなので11倍台は安い
・比較会社に載っている3社のPERは16倍、22倍、22倍と低さが目立つ
・業績も15年3月期から毎年ジワジワ成長している。
以上が低PERの割安株だと思った主な理由です。
といった仮説をたてることができます。
捉え方は人それぞれなので、ご自身でもこれだ!という会社を探してみてください。
2.PER高めの高成長株を買う
ここで説明する「PERが高めの高成長株」とは、「現時点で割高でも毎年営業利益が大きく伸びていて、数年後にはPERが割安になりそうな会社」を指します。具体的な数字で表すと、5年で営業利益が2倍を目安にすると良いと思います。
例)今期営業利益が10億円の会社が毎年15%伸びた場合 ※小数点第2位以下は四捨五入
今期:10億
1年後:10×1.15=11.5億
2年後:11.5×1.15=13.2億
3年後:13.2×1.15=15.2億
4年後:15.2×1.15=17.5億
5年後:17.5×1.15=20.1億
この通り、10億から20.1億と、5年で2倍になります。
規模の小さい会社だとこういう会社が時々現れます。そこまで大体毎年15%以上成長していたら高成長株といっていいでしょう。
単純に考えると5年で利益が2倍ということは、PERが5年で半分になるという風にも考えることができます。
(例)
現在 … 株価3,000円 ÷ 一株益100円 = PER30倍
5年後 … 株価3,000円 ÷ 一株益200円 = PER15倍 ←半分になる
つまり、現時点ではPERが割高に見えても、時間が経つにつれ、割安になっていくということが考えられ、目標株価が高くなり、期待とともに株価が上がっていくという流れです。
また、
PERが高い = たくさん買われている = 人気株
ということも言えます。
人気株は注目度が高いので注目されているうちは買いが入りやすく上がりやすいというのが高成長株の魅力です。
高成長株の難しさ
一方で難しさもあります。それは1個でもネガティブなニュースがあると一気に下がりやすい側面もあります。期待が大きくなりすぎると、たった一つのマイナス要素も大きく取り上げられます。ふくらみ過ぎた風船は1本の針で一瞬で割れてしまうのです。
そこがもともと割安な期待の高すぎない低PER株との違いといえるでしょう。
1.低PERの割安株 … 普段の上昇率は低いが、一つのきっかけで上がる可能性が高い
2.PER高めだが人気の高成長株を買う … 普段の上昇率は高いが、一つのきっかけで大きく下がるリスクがある。
実際の銘柄で探してみよう! -PER高めの高成長株編-
ここでPER高めの高成長株の探し方の一例をあげてみます。

Orchestra Holdingsというデジタルマーケティングを行っている会社の四季報情報です。
・売上、営業利益が大きく伸びている(この調子でいけば5年後2倍も射程圏内に見える)
・比較会社も規模が大きく、PERもかなり高めなところがあり伸び代がありそう
といった点がとりあげた理由です。高成長株なのは間違いないですし、そもそもサービス業、IT系はPERが高いところも多いので25倍も高めといった感じはしないかもしれません。
といった仮説をたてることができます。
業種によって割高な数値は変わってくると思うので、他社と比較を行いながら自分にとってのお宝株を探してみましょう!
まずはどちらから手を付ければいい?
最初にも述べた通り、難易度的には
1.低PERの割安株を買う > 2.PER高めの高成長株を買う
になりますので、始めたころは「低PERの割安株」を買い、慣れてきたら半分は「低PERの割安株」もう半分は「PER高めの高成長株」と使い分けるとリスクの分散もできてよいでしょう。
目標株価、損切価格を決めよう
最後に株は買って終わりではありません。売るまでが取引です。
・いくらまで上がったら利確
・いくらまで下がったら損切り
せっかく株価が上がっても、それが一時的で、下がってしまったら利益はありません。そのためにも基準は必ず買う前に決めましょう。
僕の現在の保有銘柄、株式投資の収支はこちらからご覧になれます。